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【世論】少子化対策「期待せず」過半数
こんにちは。住宅比較の森田です。日本経済新聞は、2023年1月27日~29日に世論調査を実施しました。今回は1月30日の日経新聞より、岸田政権に対する世間の反応をご紹介します。
コロナ「5類」移行について:過半数が「賛成」
岸田政権は大型連休後の今年5月8日に、新型コロナの分類を「2類相当」から「5類」へ引き下げることを正式に決定しました。「2類」や「5類」とは、感染症法に基づいた分類のことです。今までは未知のウィルスとして「2類相当」としたのち、その枠を超えた「新型インフルエンザ等感染症」に位置づけたことで、外出自粛要請など「2類」よりも厳しい措置がとれるほか、緊急事態宣言のような強い行動制限ができるようにしていました。
これが「5類」まで引き下がると、緊急事態宣言や外出自粛要請など、行政が行っていた行動制限ができなくなります。全額公費で賄われた医療費も見直されていくことになります。流行初期の水際対策のとき、感染拡大を恐れて陽性者に敏感になっていた世間が、3年経った今、正直「もうしょうがないよね、誰から感染したかも分からないし」みたいな風潮になってきているように感じます。
岸田政権の少子化対策について:過半数が「期待しない」
1月23日の施政方針演説で、「従来とは次元の異なる少子化対策を実現したい」と訴えた岸田首相でしたが、世間の55%が政策効果に「期待しない」でした。、3月にまとめたたたき台を6月の経済財政運営と改革の基本方針に盛り込む見通しだとは報道されていますが、「異次元の少子化」を謳う一方その具体策が明示されていないことに不信感を持つ人が多いようです。
少子化対策に何を期待する?
必要だと思う具体策を複数回答する調査では、全体として「賃上げ」が最も多く、次いで「仕事と育児の両立促進」という結果でした。男女別では少し差があり、男性は「賃上げ」「経済的支援の拡充」「両立促進」の順で、女性は「両立促進」「賃上げ」「サービス拡充」の順でした。現代の共働き夫婦の風潮を反映しています。
子ども関連予算のための負担増について:過半数が「良くない」
子ども関連予算の将来的な倍増に向け、社会保険料などの負担が「増えても良いと思う」は41%で、「良くない」の55%を下回りました。「増えても良いと思う」の内訳として18~39歳が48%、40~50歳代が47%、60歳以上が35%と、負担増に否定的な傾向が年配層でみられる結果に。
防衛財源確保の増税前に衆院解散すべきか:過半数が「YES」
政府は外交・防衛の基本方針である「国家安全保障戦略」、防衛の目標と手段を示す「国家防衛戦略」、5年間の防衛費の総額を示した「防衛力整備計画」を閣議決定しました。この中に「防衛力の抜本的強化」が盛り込まれていました。「周辺で核・ミサイル能力の強化・急激な軍備増強がいっそう顕著になっている。現在の自衛隊の能力では十分でない」と主張する岸田首相ですが、その防衛費予算が1.6倍の43兆円。その財源確保のために24~27年度で段階的に増税すると発表。
これには政府に「賃上げ」希望をするほど、今の物価上昇で家計負担に苦しむ低中所得層は賛成できません。衆院議員は2023年10月に4年任期が折り返し点を迎えます。首相は24年9月の自民党総裁選を見据えて解散のタイミングを探る時期となります。
野党からは「増税前に解散して国民の信を問うべき」との声も。不戦を貫くためにも「継続戦闘が可能」という姿勢をアピールすることが大切なのかもしれませんが、少子化対策にせよ、国民への明確な政策発表が注目されます。