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【相続】夫婦のみの家庭は相続紛争に注意
こんにちは。住宅比較の森田です。
少子化の現代、子がいない夫婦もいまや珍しくありません。子がいない分夫婦二人のためにお金が使えるなどメリットもありますが、気を付けなければならないことが一つ。それは
必ず先にどちらかが亡くなるということ
当たり前のことなのですが、子がいる場合といない場合では、夫婦のどちらかが亡くなったときの相続関係に大きな違いがでてきます。
今回は2022年9月10日の日経新聞より、
子なし夫婦の遺産分割対策
について紹介いたします。
もし遺言なく夫が亡くなったら?
家族が亡くなった際、特別遺言がない場合は
法定相続人
による遺産分割がなされます。たとえば、
子がいない夫婦で夫が死亡、夫の親・兄弟姉妹がいる場合
上のような法定相続分となり、妻の取り分は2/3です。夫の両親がともに生きている場合は1/3を二人で分けます。
子がいない夫婦で夫が死亡、夫の兄弟姉妹のみがいる場合
上のような法定相続分となり、妻の取り分は3/4。兄弟姉妹はその人数で残りの1/4を分けます。
ちなみに子がいる夫婦の場合は妻と子で1/2ずつです。←子がいない場合のほうが妻の相続分は多い!
しかし上の図のシチュエーションを考えると、残された妻は相続分以上につらい分割会議を乗り越えなければならない可能性をもっています。この状況で妻だけが夫の家系でない、いわば他人。夫の兄弟姉妹なんて、法事でしか会わない、なんて場合も多いでしょう。
このような関係性の夫側の相続人たちが、妻に対して強く相続分を主張するという紛争が、10年前に比べて約13%増えています。特に不動産が遺産の割合の大部分を占めている場合、分割がしにくいためより難航する傾向にあるようです。
妻は法定相続分を請求された場合、原則渡す必要があります。しかし前述のように、遺産がほぼ不動産であった場合、分割分を支払うために
自宅を売却しなければならない
なんていうことになる危険があります。このような状況を回避するために対策をしておくことが大切です。
遺言で遺産分割対策
先ほどの例は、あくまで
特別遺言がない場合の相続人
のお話をしましたが、このトラブルを回避できるのが遺言です。遺言があれば原則としてその内容どおりに遺産は分配されます。法定相続分きっかりに分けなくてよいのです。
生前のうちから、きちんと効力のある遺言を作成しておくことが、将来自分の配偶者を守ることにつながります。
ただし、財産全部を妻に相続させる内容も有効ではありますが、法定相続人には、相続分の1/2は取り返せる「遺留分」が認められているため、そこを考慮した文面にしておくことで、不要な軋轢を生まずに済むでしょう。
遺言にも3種類あり、自分で作成したもので法務局に保管してもらうもの、もらわず自宅管理(この場合裁判所の検認が必要)するもの、公正証書という効力最強のものがあります。
遺言は何度でもアップデートできます。まずは肩の力を抜いて、家族で話し合いながら財産整理の意味で作成を始めてみてはいかがでしょうか。