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【金利】フラット35、金利競争参戦
こんにちは。住宅比較の森田です。
独立行政法人の住宅金融支援機構が提供する長期固定の住宅ローン「フラット35」が金利競争に参戦!
本日は2022年11月9日の日経新聞より、フラット35による異例の貸出金利引き下げについてご紹介します。
フラット35とは
フラット35とは、住宅ローンを35年固定金利で提供する国の制度です。住宅金融支援機構が住宅ローン債権を担保にした債権(MBS債)で資金を調達、提携先の民間銀行などが貸し出しの窓口となり提供します。
機構はこれまで長期金利の動きにほぼ連動する貸出金利を示してきました。10月適用分は、調達金利が0.58%(前月比+0.08%)と上がったにもかかわらず、貸出最低金利は1.48%と0.04%下げました。
調達金利の上昇に対して貸出金利を下げるのは、団信付きの現在の制度になった
2017年10月以降初めてです!
住宅ローンの金利競争
住宅ローン市場では、政策金利に連動する変動金利で長年低水準が続き、金利引き下げ競争の主戦場になっています。2017年以降で
フラット35と3メガバンクの最優遇変動金利
の平均を比較すると、当初は0.7%程度の差であったのが、
2022年11月分は1.1%と最大になりました。
減少するフラット35利用者
こうしたなか、フラット35の利用件数は減少しています。
2021年の融資件数は6万件超と、過去5年で4割減りました。「民間の変動金利では不安」として選んでいた利用者も、長年の低水準から変動型に借り換えているともみられています。
借入時から完済まで金利が変わらないというのは、今後金利が上がるかもしれないと不安があった時代には大きなメリットでしたが、長期間変動金利が低水準であると、金利が下がっているのに返済額が変わらないというデメリットに感じるようになってしまうのでしょう。
変動型の影響が固定型にも
三菱UFJ銀行は、4月に31~35年固定型を最低年1.8%から1.2%に引き下げました。その結果、全期間固定型を選ぶ人が大幅に増えたのです。他銀行も、全期間固定流入へのマーケティングや低金利での提供を始めています。
固定型の金利低下が広がれば、金利上昇の不安から変動を選べなかった人にとっては非常に魅力的な流れといえます。
しかし低金利だからといって身の丈に合わない借入はリスクのもとです。計画的な資金計画が大切です。
官民バトルの行く末は
フラット35は収入や雇用形態などの審査が比較的緩く、民間のローンを利用しづらい自営の人や年金受給者の住宅取得を支援してきました。
\ 営利目的の民間とは一線引いてます!国民の住宅需要を喚起したいのです! /
と、政府が金利優遇などどの政策を投じています。
このままフラット35の金利引き下げが続けば、民間企業圧迫との批判も出かねません。官民の役割をめぐって今後議論が生まれる可能性もあります。固定型を低金利で借りられるチャンスは、もしかしたら長くないかも?です。