スタッフブログ
宅建勉強3月7日(月)
問41
宅地建物取引業法第49条に規定する帳簿に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 宅地建物取引業者は、本店と複数の支店がある場合、支店には帳簿を備え付けず、本店に支店の分もまとめて備え付けておけばよい。
- 宅地建物取引業者は、宅地建物取引業に関し取引のあったつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積その他国土交通省令で定める事項を帳簿に記載しなければならない。
- 宅地建物取引業者は、帳簿を各事業年度の末日をもって閉鎖するものとし、閉鎖後5年間当該帳簿を保存しなければならないが、自ら売主となり、又は売買の媒介をする新築住宅に係るものにあっては10年間保存しなければならない。
- 宅地建物取引業者は、帳簿の記載事項を、事務所のパソコンのハードディスクに記録し、必要に応じ当該事務所においてパソコンやプリンターを用いて明確に紙面に表示する場合でも、当該記録をもって帳簿への記載に代えることができない。
解説
- “宅地建物取引業者は、本店と複数の支店がある場合、支店には帳簿を備え付けず、本店に支店の分もまとめて備え付けておけばよい。”誤り。帳簿は事務所ごとに備付けなければなりません。よって、本店には本店の、支店には支店の帳簿を備え付ける必要があります(宅建業法49条)。
- “宅地建物取引業者は、宅地建物取引業に関し取引のあったつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積その他国土交通省令で定める事項を帳簿に記載しなければならない。”[正しい]。帳簿への記載は取引のあったつど行わなければなりません。帳簿の記載事項は、取引年月日、宅地建物の所在・面積・概況、取引態様、取引当事者の氏名・住所、取引に関与した宅地建物取引業者の商号・名称、売買代金や賃料、報酬の額等です(宅建業法49条)。
- “宅地建物取引業者は、帳簿を各事業年度の末日をもって閉鎖するものとし、閉鎖後5年間当該帳簿を保存しなければならないが、自ら売主となり、又は売買の媒介をする新築住宅に係るものにあっては10年間保存しなければならない。”誤り。帳簿は各事業年度末で閉鎖し、閉鎖後5年間保存することになっています。ただし、宅地建物取引業者が自ら売主となる新築住宅に係るものは10年間の保存が必要です(施行規則18条3項)。10年間保存するのは自ら売主となる新築住宅に係るものに限られるので、新築住宅の売買の媒介をした取引については10年間ではなく5年間の保存でOKです。
- “宅地建物取引業者は、帳簿の記載事項を、事務所のパソコンのハードディスクに記録し、必要に応じ当該事務所においてパソコンやプリンターを用いて明確に紙面に表示する場合でも、当該記録をもって帳簿への記載に代えることができない。”誤り。帳簿の記載事項が漏れなくパソコンやサーバに記録され、必要に応じてその事務所においてプリンター等を用いて明確に紙面に表示できるときは、当該記録をもって帳簿への記載に代えることができます(施行規則18条2項)。
したがって正しい記述は[2]です。
宅建勉強3月6日(日)
問38
宅地建物取引士に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法及び民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
- 宅地建物取引業者は、事務所に置く唯一の専任の宅地建物取引士が退任した場合、その日から30日以内に新たな専任の宅地建物取引士を設置し、その設置の日から2週間以内に、専任の宅地建物取引士の変更があった旨を免許権者に届け出なければならない。
- 未成年者も、法定代理人の同意があれば、宅地建物取引業者の事務所に置かれる専任の宅地建物取引士となることができる。
- 宅地建物取引士は、重要事項説明書を交付するに当たり、相手方が宅地建物取引業者である場合、相手方から宅地建物取引士証の提示を求められない限り、宅地建物取引士証を提示する必要はない。
- 成年被後見人又は被保佐人は、宅地建物取引士として都道府県知事の登録を受けることができない。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- なし
解説
- “宅地建物取引業者は、事務所に置く唯一の専任の宅地建物取引士が退任した場合、その日から30日以内に新たな専任の宅地建物取引士を設置し、その設置の日から2週間以内に、専任の宅地建物取引士の変更があった旨を免許権者に届け出なければならない。”誤り。事務所に置く唯一の専任の宅地建物取引士が退任した場合、その日から2週間以内に新たな専任の宅地建物取引士を設置しなければなりません(宅建業法31条の3第3項)。専任の宅地建物取引士の氏名は宅地建物取引業者名簿の記載事項となっているので、当該宅地建物取引業者は30日以内に免許権者に変更を届け出なければなりません(宅建業法9条)。本肢は、設置までの猶予期間と変更の際の届出期間が逆になっています。
- “未成年者も、法定代理人の同意があれば、宅地建物取引業者の事務所に置かれる専任の宅地建物取引士となることができる。”誤り。専任の宅地建物取引士は成年者でなければなりません。婚姻により成年とみなされるとき、業者個人または法人の役員が宅地建物取引士であるときを除いて、未成年者が専任の宅地建物取引士になることはできません(宅建業法31条の3第1項)。

- “宅地建物取引士は、重要事項説明書を交付するに当たり、相手方が宅地建物取引業者である場合、相手方から宅地建物取引士証の提示を求められない限り、宅地建物取引士証を提示する必要はない。”正しい。宅地建物取引士が相手方に対して取引士証を提示しなければならないのは重要事項説明をするときです。買主または借主が宅地建物取引業者の場合には重要事項説明は不要なので、取引士証の提示も不要となります(宅建業法35条6項)。ただし、宅地建物取引士には取引の関係者の求めに応じて取引士証を提示する義務があるので、相手方から求められた場合はその相手が宅地建物取引業者であっても提示しなければなりません(宅建業法22条の4)。
- “成年被後見人又は被保佐人は、宅地建物取引士として都道府県知事の登録を受けることができない。”誤り。以前は「成年被後見人・被保佐人」であることが免許および宅建士登録の欠格事由とされていましたが、成年被後見人・被保佐人の人権を尊重するため条文が「心身の故障により宅地建物取引業を適正に営むことができない者として国土交通省令で定めるもの」に改められました(宅建業法5条1項10号、宅建業法18条12号)。この改正により、成年被後見人・被保佐人が一律で登録を受けられないということはなくなり、個別に審査されることとなりました。成年被後見人・被保佐人の登録申請に当たっては、契約の締結及びその履行にあたり必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができる能力を有する旨を記載した「医師の診断書」の提出が求められます。
したがって正しいものは「一つ」です。
宅建勉強3月5日(土)
問39
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Bとの間で締結した宅地の売買契約について、Bが宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づき、いわゆるクーリング・オフによる契約の解除をする場合における次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- Bは、Aの仮設テント張りの案内所で買受けの申込みをし、2日後、Aの事務所で契約を締結した上で代金全額を支払った。その5日後、Bが、宅地の引渡しを受ける前に当該契約について解除の書面を送付した場合、Aは代金全額が支払われていることを理由に契約の解除を拒むことができる。
- Bは、自らの希望により自宅近くの喫茶店において買受けの申込みをし、売買契約を締結した。当該契約に係るクーリング・オフについては、その3日後にAから書面で告げられた場合、Bは、当該契約の締結日から10日後であっても契約の解除をすることができる。
- Bは、Aの仮設テント張りの案内所で買受けの申込みをし、Aの事務所でクーリング・オフについて書面で告げられ、その日に契約を締結した。この書面の中で、クーリング・オフによる契約の解除ができる期間を14日間としていた場合、Bは、当該契約の締結日から10日後であっても契約の解除をすることができる。
- Bは、売買契約締結後に速やかに建物建築工事請負契約を締結したいと考え、自ら指定した宅地建物取引業者であるハウスメーカー(Aから当該宅地の売却について代理又は媒介の依頼は受けていない。)の事務所で買受けの申込み及び売買契約の締結をし、その際、クーリング・オフについて書面で告げられた。その6日後、Bが当該契約について解除の書面を送付した場合、Aは契約の解除を拒むことができない。
解説
次の条件のいずれかを満たす場合、クーリング・オフによる契約解除はできません。逆を言えば該当しなければクーリング・オフできるということです(宅建業法37条の2)。
- 宅地建物取引業者の事務所等で買受けの申込みまたは売買契約(事務所等以外の場所で買受けの申込みをした場合を除く)をしている
- クーリング・オフについて書面で告げられた日から起算して8日を経過している
- 物件の引渡しを受け、かつ、代金全額を支払っている
- 買主が宅地建物取引業者である
- “Bは、Aの仮設テント張りの案内所で買受けの申込みをし、2日後、Aの事務所で契約を締結した上で代金全額を支払った。その5日後、Bが、宅地の引渡しを受ける前に当該契約について解除の書面を送付した場合、Aは代金全額が支払われていることを理由に契約の解除を拒むことができる。”[誤り]。仮設テント張りの案内所(土地に定着しない案内所)はクーリング・オフの適用がある場所です(施行規則16条の5第1号ロ)。代金全額を支払い、かつ、物件の引渡しを受けた場合にはクーリング・オフできなくなりますが、代金を支払っただけなので問題ありません。
本肢ではクーリング・オフについて書面で告げられた日が明らかになっていませんが、もし買受けの申込みをした日に告知があったとしても、書面を送付したのは買受けの日から起算して8日目ですからクーリング・オフが可能な期間です。よって、宅地建物取引業者Aはクーリング・オフによる契約解除を拒むことはできません。 - “Bは、自らの希望により自宅近くの喫茶店において買受けの申込みをし、売買契約を締結した。当該契約に係るクーリング・オフについては、その3日後にAから書面で告げられた場合、Bは、当該契約の締結日から10日後であっても契約の解除をすることができる。”正しい。喫茶店は事務所等ではないのでクーリング・オフの適用がある場所です。クーリング・オフの意思表示は、クーリング・オフについて書面で告げられた日から起算して8日を経過をするまでは可能ですが、契約の締結日から10日後は契約日の3日後から起算してちょうど8日目に当たるので、クーリング・オフにより契約解除することができます。

- “Bは、Aの仮設テント張りの案内所で買受けの申込みをし、Aの事務所でクーリング・オフについて書面で告げられ、その日に契約を締結した。この書面の中で、クーリング・オフによる契約の解除ができる期間を14日間としていた場合、Bは、当該契約の締結日から10日後であっても契約の解除をすることができる。”正しい。買受けと契約締結が別の場所で行われた場合、クーリング・オフの適用がある場所か否かは買受けの場所で判断します。本肢で買受けの申込みをした仮設テント張りの案内所(土地に定着しない案内所)はクーリング・オフの適用がある場所です。
次に、本肢ではクーリング・オフによる契約の解除ができる期間を14日間としています。クーリング・オフに関する特約で申込者に不利なものは無効となりますが、クーリング・オフ可能な期間を伸長する特約は申込者に有利ですから有効です(宅建業法37条の2第4項)。よって、申込者Bは契約締結日から10日後であっても、クーリング・オフによる契約解除をすることができます。 - “Bは、売買契約締結後に速やかに建物建築工事請負契約を締結したいと考え、自ら指定した宅地建物取引業者であるハウスメーカー(Aから当該宅地の売却について代理又は媒介の依頼は受けていない。)の事務所で買受けの申込み及び売買契約の締結をし、その際、クーリング・オフについて書面で告げられた。その6日後、Bが当該契約について解除の書面を送付した場合、Aは契約の解除を拒むことができない。”正しい。宅地建物取引業者が他の宅地建物取引業者に対し、当該契約の媒介・代理を依頼した場合において、その依頼を受けた宅地建物取引業者の事務所はクーリング・オフに関して「事務所等」に該当します(施行規則16条の5第1号ハ)。しかし、本肢のハウスメーカーは「Aから当該宅地の売却について代理又は媒介の依頼は受けていない」ので、これに該当せずクーリング・オフの適用がある場所とわかります。
申込者Bが契約解除の書面を送付したのは契約日の6日後(起算日から7日目)ですから、宅地建物取引業者Aはクーリング・オフによる契約解除を拒むことはできません。
したがって誤っている記述は[1]です。
宅建勉強3月4日(金)
問39
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Bとの間で締結した宅地の売買契約について、Bが宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づき、いわゆるクーリング・オフによる契約の解除をする場合における次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- Bは、Aの仮設テント張りの案内所で買受けの申込みをし、2日後、Aの事務所で契約を締結した上で代金全額を支払った。その5日後、Bが、宅地の引渡しを受ける前に当該契約について解除の書面を送付した場合、Aは代金全額が支払われていることを理由に契約の解除を拒むことができる。
- Bは、自らの希望により自宅近くの喫茶店において買受けの申込みをし、売買契約を締結した。当該契約に係るクーリング・オフについては、その3日後にAから書面で告げられた場合、Bは、当該契約の締結日から10日後であっても契約の解除をすることができる。
- Bは、Aの仮設テント張りの案内所で買受けの申込みをし、Aの事務所でクーリング・オフについて書面で告げられ、その日に契約を締結した。この書面の中で、クーリング・オフによる契約の解除ができる期間を14日間としていた場合、Bは、当該契約の締結日から10日後であっても契約の解除をすることができる。
- Bは、売買契約締結後に速やかに建物建築工事請負契約を締結したいと考え、自ら指定した宅地建物取引業者であるハウスメーカー(Aから当該宅地の売却について代理又は媒介の依頼は受けていない。)の事務所で買受けの申込み及び売買契約の締結をし、その際、クーリング・オフについて書面で告げられた。その6日後、Bが当該契約について解除の書面を送付した場合、Aは契約の解除を拒むことができない。
解説
次の条件のいずれかを満たす場合、クーリング・オフによる契約解除はできません。逆を言えば該当しなければクーリング・オフできるということです(宅建業法37条の2)。
- 宅地建物取引業者の事務所等で買受けの申込みまたは売買契約(事務所等以外の場所で買受けの申込みをした場合を除く)をしている
- クーリング・オフについて書面で告げられた日から起算して8日を経過している
- 物件の引渡しを受け、かつ、代金全額を支払っている
- 買主が宅地建物取引業者である
- “Bは、Aの仮設テント張りの案内所で買受けの申込みをし、2日後、Aの事務所で契約を締結した上で代金全額を支払った。その5日後、Bが、宅地の引渡しを受ける前に当該契約について解除の書面を送付した場合、Aは代金全額が支払われていることを理由に契約の解除を拒むことができる。”[誤り]。仮設テント張りの案内所(土地に定着しない案内所)はクーリング・オフの適用がある場所です(施行規則16条の5第1号ロ)。代金全額を支払い、かつ、物件の引渡しを受けた場合にはクーリング・オフできなくなりますが、代金を支払っただけなので問題ありません。
本肢ではクーリング・オフについて書面で告げられた日が明らかになっていませんが、もし買受けの申込みをした日に告知があったとしても、書面を送付したのは買受けの日から起算して8日目ですからクーリング・オフが可能な期間です。よって、宅地建物取引業者Aはクーリング・オフによる契約解除を拒むことはできません。 - “Bは、自らの希望により自宅近くの喫茶店において買受けの申込みをし、売買契約を締結した。当該契約に係るクーリング・オフについては、その3日後にAから書面で告げられた場合、Bは、当該契約の締結日から10日後であっても契約の解除をすることができる。”正しい。喫茶店は事務所等ではないのでクーリング・オフの適用がある場所です。クーリング・オフの意思表示は、クーリング・オフについて書面で告げられた日から起算して8日を経過をするまでは可能ですが、契約の締結日から10日後は契約日の3日後から起算してちょうど8日目に当たるので、クーリング・オフにより契約解除することができます。

- “Bは、Aの仮設テント張りの案内所で買受けの申込みをし、Aの事務所でクーリング・オフについて書面で告げられ、その日に契約を締結した。この書面の中で、クーリング・オフによる契約の解除ができる期間を14日間としていた場合、Bは、当該契約の締結日から10日後であっても契約の解除をすることができる。”正しい。買受けと契約締結が別の場所で行われた場合、クーリング・オフの適用がある場所か否かは買受けの場所で判断します。本肢で買受けの申込みをした仮設テント張りの案内所(土地に定着しない案内所)はクーリング・オフの適用がある場所です。
次に、本肢ではクーリング・オフによる契約の解除ができる期間を14日間としています。クーリング・オフに関する特約で申込者に不利なものは無効となりますが、クーリング・オフ可能な期間を伸長する特約は申込者に有利ですから有効です(宅建業法37条の2第4項)。よって、申込者Bは契約締結日から10日後であっても、クーリング・オフによる契約解除をすることができます。 - “Bは、売買契約締結後に速やかに建物建築工事請負契約を締結したいと考え、自ら指定した宅地建物取引業者であるハウスメーカー(Aから当該宅地の売却について代理又は媒介の依頼は受けていない。)の事務所で買受けの申込み及び売買契約の締結をし、その際、クーリング・オフについて書面で告げられた。その6日後、Bが当該契約について解除の書面を送付した場合、Aは契約の解除を拒むことができない。”正しい。宅地建物取引業者が他の宅地建物取引業者に対し、当該契約の媒介・代理を依頼した場合において、その依頼を受けた宅地建物取引業者の事務所はクーリング・オフに関して「事務所等」に該当します(施行規則16条の5第1号ハ)。しかし、本肢のハウスメーカーは「Aから当該宅地の売却について代理又は媒介の依頼は受けていない」ので、これに該当せずクーリング・オフの適用がある場所とわかります。
申込者Bが契約解除の書面を送付したのは契約日の6日後(起算日から7日目)ですから、宅地建物取引業者Aはクーリング・オフによる契約解除を拒むことはできません。
したがって誤っている記述は[1]です。
宅建勉強3月3日(木)
問37
宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、同法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 既存の建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項がない場合、確認した事項がない旨を37条書面に記載しなければならない。
- 代金又は交換差金についての金銭の貸借のあっせんに関する定めがない場合、定めがない旨を37条書面に記載しなければならない。
- 損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがない場合、定めがない旨を37条書面に記載しなければならない。
- 宅地又は建物に係る租税その他の公課の負担に関する定めがない場合、定めがない旨を37条書面に記載しなければならない。
解説
37条書面へ記載事項の一覧は次の通りです。

- “既存の建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項がない場合、確認した事項がない旨を37条書面に記載しなければならない。”[正しい]。既存建物であるときは、建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項について記載しなければなりません(宅建業法37条1項2号の2)。当事者の双方が確認した事項がない場合は「無」と記載します(解釈運用の考え方-当事者の双方が確認した事項について)。
- “代金又は交換差金についての金銭の貸借のあっせんに関する定めがない場合、定めがない旨を37条書面に記載しなければならない。”誤り。「代金又は交換差金についての金銭の貸借のあっせんに関する定め」はあるときに限り、記載事項となります。よって、定めがない場合には記載不要です(宅建業法37条1項9号)。
- “損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがない場合、定めがない旨を37条書面に記載しなければならない。”誤り。「損害賠償額の予定又は違約金に関する定め」はあるときに限り、記載事項となります。よって、定めがない場合には記載不要です(宅建業法37条1項8号)。
- “宅地又は建物に係る租税その他の公課の負担に関する定めがない場合、定めがない旨を37条書面に記載しなければならない。”誤り。「宅地又は建物に係る租税その他の公課の負担に関する定め」はあるときに限り、記載事項となります。よって、定めがない場合には記載不要です(宅建業法37条1項12号)。
したがって正しい記述は[1]です。
宅建勉強3月2日(水)
問32
宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
- 宅地の売買の媒介を行う場合、当該宅地が急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第3条第1項により指定された急傾斜地崩壊危険区域にあるときは、同法第7条第1項に基づく制限の概要を説明しなければならない。
- 建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第7条第1項により指定された土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨を説明しなければならない。
- 宅地の貸借の媒介を行う場合、文化財保護法第46条第1項及び第5項の規定による重要文化財の譲渡に関する制限について、その概要を説明する必要はない。
- 宅地の売買の媒介を行う場合、当該宅地が津波防災地域づくりに関する法律第21条第1項により指定された津波防護施設区域内にあるときは、同法第23条第1項に基づく制限の概要を説明しなければならない。
解説
- “宅地の売買の媒介を行う場合、当該宅地が急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第3条第1項により指定された急傾斜地崩壊危険区域にあるときは、同法第7条第1項に基づく制限の概要を説明しなければならない。”正しい。急傾斜地とは傾斜度が30度以上である土地のことで、都道府県知事は崩壊するおそれのある急傾斜地を「急傾斜地崩壊危険区域」に指定することができます。急傾斜地崩壊危険区域内で行う一定の行為は都道府県知事の許可を受ける必要を受けなければならないことになっています。
売買対象となる宅地建物または貸借の対象となる宅地が「急傾斜地崩壊危険区域内」に位置するときは、法令上の制限の1つとしてこの制限の概要を説明する必要があります(施行令3条1項23号)。 - “建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第7条第1項により指定された土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨を説明しなければならない。”正しい。取引対象となる宅地建物が「土砂災害警戒区域内」にあるときは、売買・交換・貸借を問わずその旨を説明する必要があります(施行規則16条4の3第2号)。区域名に「災害・防災」のキーワードが入っている場合は取引態様を問わず必要というのがパターンです。
- “宅地の貸借の媒介を行う場合、文化財保護法第46条第1項及び第5項の規定による重要文化財の譲渡に関する制限について、その概要を説明する必要はない。”正しい。宅地の貸借においては、重要文化財の譲渡に関する制限について説明する必要はありません(施行令3条2項)。重要文化財の譲渡に関する制限とは、重要文化財を有償で譲渡しようとする際に、まず国に対して売り渡す申出をしなければならないという文化財保護法上の制限です。
説明の必要があるのは宅地建物の売買・交換のみですので、本肢のように「宅地×貸借」のケースでは説明不要です。 - “宅地の売買の媒介を行う場合、当該宅地が津波防災地域づくりに関する法律第21条第1項により指定された津波防護施設区域内にあるときは、同法第23条第1項に基づく制限の概要を説明しなければならない。”正しい。「津波防護施設区域」とは、盛土構造物等の津波防護施設の敷地とそれを保全するために必要な区域で、津波防護施設管理者が指定します。津波防護施設区域内で行う一定の行為は津波防護施設管理者の許可を受けなければならないことになっています。
売買対象となる宅地建物または貸借の対象となる宅地が「津波防護施設区域内」にあるときは、法令上の制限の1つとしてこの制限の概要を説明する必要があります(施行令3条1項20号の2)。
なお、重説で津波に関連するものとして「津波災害警戒区域」に位置している旨がありますが、こちらは防災上の説明なので全ての取引で必要となります。
したがって正しいものは「四つ」です。
宅建勉強3月1日(火)
問30
宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 本店と3つの支店を有する宅地建物取引業者が保証協会に加入しようとする場合、当該保証協会に、110万円の弁済業務保証金分担金を納付しなければならない。
- 保証協会の社員又は社員であった者が、当該保証協会から、弁済業務保証金の還付額に相当する還付充当金を当該保証協会に納付すべき旨の通知を受けたときは、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を当該保証協会に納付しなければならない。
- 保証協会に加入している宅地建物取引業者は、保証を手厚くするため、更に別の保証協会に加入することができる。
- 保証協会の社員(甲県知事免許)と宅地建物取引業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、当該保証協会が供託した弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行しようとするときは、弁済を受けることができる額について甲県知事の認証を受ける必要がある。
解説
- “本店と3つの支店を有する宅地建物取引業者が保証協会に加入しようとする場合、当該保証協会に、110万円の弁済業務保証金分担金を納付しなければならない。”誤り。弁済業務保証金分担金の額は、本店が60万円、支店が1つにつき30万円です(施行令7条)。よって、本肢のケースにおける弁済業務保証金分担金の額は「60万円+30万円×3=150万円」です。
- “保証協会の社員又は社員であった者が、当該保証協会から、弁済業務保証金の還付額に相当する還付充当金を当該保証協会に納付すべき旨の通知を受けたときは、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を当該保証協会に納付しなければならない。”[正しい]。供託所で弁済業務保証金の還付があったとき、保証協会は、当該社員(社員であった者も含む)に対し、その還付額に相当する還付充当金を保証協会に納付すべきことを通知します。そして、当該通知を受けた社員は、その通知を受けた日から2週間以内に通知された額の還付充当金を保証協会に納付しなければなりません(宅建業法64条の10第1項・第2項)。

- “保証協会に加入している宅地建物取引業者は、保証を手厚くするため、更に別の保証協会に加入することができる。”誤り。ある保証協会の社員である宅地建物取引業者は、他の保証協会の社員になることはできません(宅建業法64条の4第1項)。
- “保証協会の社員(甲県知事免許)と宅地建物取引業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、当該保証協会が供託した弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行しようとするときは、弁済を受けることができる額について甲県知事の認証を受ける必要がある。”誤り。宅地建物取引業保証協会の社員と宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、弁済業務保証金から弁済を受けることができます。弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行しようとするときは、当該保証協会の認証を受けるとともに、供託所へ還付請求をする必要があります(宅建業法64条の8第2項)。免許権者の認証ではありません。
したがって正しい記述は[2]です。
宅建勉強2月28日(月)
問43
宅地建物取引業法に規定する宅地建物取引士及びその登録(以下この問において「登録」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 登録を受けている者が精神の機能の障害により宅地建物取引士の事務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者となった場合、本人がその旨を登録をしている都道府県知事に届け出ることはできない。
- 甲県知事の登録を受けている宅地建物取引士が乙県知事に登録の移転の申請を行うとともに宅地建物取引士証の交付の申請を行う場合、交付の申請前6月以内に行われる乙県知事が指定した講習を受講しなければならない。
- 宅地建物取引士が、事務禁止処分を受け、宅地建物取引士証をその交付を受けた都道府県知事に速やかに提出しなかったときは、50万円以下の罰金に処せられることがある。
- 宅地建物取引士が、刑法第222条(脅迫)の罪により、罰金の刑に処せられ、登録が消除された場合、刑の執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過するまでは、新たな登録を受けることができない。
解説
- “登録を受けている者が精神の機能の障害により宅地建物取引士の事務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者となった場合、本人がその旨を登録をしている都道府県知事に届け出ることはできない。”誤り。宅地建物取引士が、精神の機能の障害により宅地建物取引業を適正に営むに当たつて必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者(欠格事由)に該当することとなったときは、その事実を知った日から30日以内に、「本人」またはその「法定代理人」若しくは「同居の親族」が届出をすることになっています(宅建業法21条3号)。届出者は本人に限られないので誤りです。
- “甲県知事の登録を受けている宅地建物取引士が乙県知事に登録の移転の申請を行うとともに宅地建物取引士証の交付の申請を行う場合、交付の申請前6月以内に行われる乙県知事が指定した講習を受講しなければならない。”誤り。登録の移転の際に法定講習を受けなくてはならないという規定はありません。甲県知事を経由して、乙県知事に登録の移転を申請すれば足ります(宅建業法19条の2)。
- “宅地建物取引士が、事務禁止処分を受け、宅地建物取引士証をその交付を受けた都道府県知事に速やかに提出しなかったときは、50万円以下の罰金に処せられることがある。”誤り。事務禁止処分を受けた宅地建物取引士は、速やかに、登録を受けた都道府県知事に宅地建物取引士証を提出しなければなりません(宅建業法22条の2第7項)。この規定に違反した場合、10万円以下の過料に処されることがあります(宅建業法86条)。本肢は「50万円以下の罰金」としているので誤りです。
- “宅地建物取引士が、刑法第222条(脅迫)の罪により、罰金の刑に処せられ、登録が消除された場合、刑の執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過するまでは、新たな登録を受けることができない。”[正しい]。次の6つの罪を犯して罰金刑以上に処された場合、その刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過するまでは宅地建物取引士の登録を受けることができません(宅建業法18条1項7号)。
- 傷害罪(204条)
- 現場助勢罪(206条)
- 暴行罪(208条)
- 凶器準備集合及び結集罪(208条の2)
- 脅迫罪(222条)
- 背任罪(247条)
したがって正しい記述は[4]です。
宅建勉強2月27日(日)
問39
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Bとの間で締結した宅地の売買契約について、Bが宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づき、いわゆるクーリング・オフによる契約の解除をする場合における次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- Bは、Aの仮設テント張りの案内所で買受けの申込みをし、2日後、Aの事務所で契約を締結した上で代金全額を支払った。その5日後、Bが、宅地の引渡しを受ける前に当該契約について解除の書面を送付した場合、Aは代金全額が支払われていることを理由に契約の解除を拒むことができる。
- Bは、自らの希望により自宅近くの喫茶店において買受けの申込みをし、売買契約を締結した。当該契約に係るクーリング・オフについては、その3日後にAから書面で告げられた場合、Bは、当該契約の締結日から10日後であっても契約の解除をすることができる。
- Bは、Aの仮設テント張りの案内所で買受けの申込みをし、Aの事務所でクーリング・オフについて書面で告げられ、その日に契約を締結した。この書面の中で、クーリング・オフによる契約の解除ができる期間を14日間としていた場合、Bは、当該契約の締結日から10日後であっても契約の解除をすることができる。
- Bは、売買契約締結後に速やかに建物建築工事請負契約を締結したいと考え、自ら指定した宅地建物取引業者であるハウスメーカー(Aから当該宅地の売却について代理又は媒介の依頼は受けていない。)の事務所で買受けの申込み及び売買契約の締結をし、その際、クーリング・オフについて書面で告げられた。その6日後、Bが当該契約について解除の書面を送付した場合、Aは契約の解除を拒むことができない。
解説
次の条件のいずれかを満たす場合、クーリング・オフによる契約解除はできません。逆を言えば該当しなければクーリング・オフできるということです(宅建業法37条の2)。
- 宅地建物取引業者の事務所等で買受けの申込みまたは売買契約(事務所等以外の場所で買受けの申込みをした場合を除く)をしている
- クーリング・オフについて書面で告げられた日から起算して8日を経過している
- 物件の引渡しを受け、かつ、代金全額を支払っている
- 買主が宅地建物取引業者である
- “Bは、Aの仮設テント張りの案内所で買受けの申込みをし、2日後、Aの事務所で契約を締結した上で代金全額を支払った。その5日後、Bが、宅地の引渡しを受ける前に当該契約について解除の書面を送付した場合、Aは代金全額が支払われていることを理由に契約の解除を拒むことができる。”[誤り]。仮設テント張りの案内所(土地に定着しない案内所)はクーリング・オフの適用がある場所です(施行規則16条の5第1号ロ)。代金全額を支払い、かつ、物件の引渡しを受けた場合にはクーリング・オフできなくなりますが、代金を支払っただけなので問題ありません。
本肢ではクーリング・オフについて書面で告げられた日が明らかになっていませんが、もし買受けの申込みをした日に告知があったとしても、書面を送付したのは買受けの日から起算して8日目ですからクーリング・オフが可能な期間です。よって、宅地建物取引業者Aはクーリング・オフによる契約解除を拒むことはできません。 - “Bは、自らの希望により自宅近くの喫茶店において買受けの申込みをし、売買契約を締結した。当該契約に係るクーリング・オフについては、その3日後にAから書面で告げられた場合、Bは、当該契約の締結日から10日後であっても契約の解除をすることができる。”正しい。喫茶店は事務所等ではないのでクーリング・オフの適用がある場所です。クーリング・オフの意思表示は、クーリング・オフについて書面で告げられた日から起算して8日を経過をするまでは可能ですが、契約の締結日から10日後は契約日の3日後から起算してちょうど8日目に当たるので、クーリング・オフにより契約解除することができます。

- “Bは、Aの仮設テント張りの案内所で買受けの申込みをし、Aの事務所でクーリング・オフについて書面で告げられ、その日に契約を締結した。この書面の中で、クーリング・オフによる契約の解除ができる期間を14日間としていた場合、Bは、当該契約の締結日から10日後であっても契約の解除をすることができる。”正しい。買受けと契約締結が別の場所で行われた場合、クーリング・オフの適用がある場所か否かは買受けの場所で判断します。本肢で買受けの申込みをした仮設テント張りの案内所(土地に定着しない案内所)はクーリング・オフの適用がある場所です。
次に、本肢ではクーリング・オフによる契約の解除ができる期間を14日間としています。クーリング・オフに関する特約で申込者に不利なものは無効となりますが、クーリング・オフ可能な期間を伸長する特約は申込者に有利ですから有効です(宅建業法37条の2第4項)。よって、申込者Bは契約締結日から10日後であっても、クーリング・オフによる契約解除をすることができます。 - “Bは、売買契約締結後に速やかに建物建築工事請負契約を締結したいと考え、自ら指定した宅地建物取引業者であるハウスメーカー(Aから当該宅地の売却について代理又は媒介の依頼は受けていない。)の事務所で買受けの申込み及び売買契約の締結をし、その際、クーリング・オフについて書面で告げられた。その6日後、Bが当該契約について解除の書面を送付した場合、Aは契約の解除を拒むことができない。”正しい。宅地建物取引業者が他の宅地建物取引業者に対し、当該契約の媒介・代理を依頼した場合において、その依頼を受けた宅地建物取引業者の事務所はクーリング・オフに関して「事務所等」に該当します(施行規則16条の5第1号ハ)。しかし、本肢のハウスメーカーは「Aから当該宅地の売却について代理又は媒介の依頼は受けていない」ので、これに該当せずクーリング・オフの適用がある場所とわかります。
申込者Bが契約解除の書面を送付したのは契約日の6日後(起算日から7日目)ですから、宅地建物取引業者Aはクーリング・オフによる契約解除を拒むことはできません。
したがって誤っている記述は[1]です。