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宅建勉強8月3日(水)

2022.08.03

問2

制限行為能力者に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

  1. 古着の仕入販売に関する営業を許された未成年者は、成年者と同一の行為能力を有するので、法定代理人の同意を得ないで、自己が居住するために建物を第三者から購入したとしても、その法定代理人は当該売買契約を取り消すことができない。
  2. 被保佐人が、不動産を売却する場合には、保佐人の同意が必要であるが、贈与の申し出を拒絶する場合には、保佐人の同意は不要である。
  3. 成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却する際、後見監督人がいる場合には、後見監督人の許可があれば足り、家庭裁判所の許可は不要である。
  4. 被補助人が、補助人の同意を得なければならない行為について、同意を得ていないにもかかわらず、詐術を用いて相手方に補助人の同意を得たと信じさせていたときは、被補助人は当該行為を取り消すことができない。

解説

  1. “古着の仕入販売に関する営業を許された未成年者は、成年者と同一の行為能力を有するので、法定代理人の同意を得ないで、自己が居住するために建物を第三者から購入したとしても、その法定代理人は当該売買契約を取り消すことができない。”誤り。本肢の未成年者は古着の仕入販売に関する営業については成年と見なされます(民法6条1項)。しかし、自己が居住するために建物を第三者から購入することは、古着の仕入れ販売に関する営業に含まれません。
    よって、法定代理人は当該売買契約を取り消すことが可能です。
  2. “被保佐人が、不動産を売却する場合には、保佐人の同意が必要であるが、贈与の申し出を拒絶する場合には、保佐人の同意は不要である。”誤り。被保佐人の権利や財産を守るため、被保佐人が財産上の重要な行為をする際には保佐人の同意を得なければなりません。贈与の申込みを拒絶すると被保佐人の財産に不利益となる可能性があるため、保佐人の同意が必要な行為となっています(民法13条1項7号)。
  3. “成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却する際、後見監督人がいる場合には、後見監督人の許可があれば足り、家庭裁判所の許可は不要である。”誤り。成年後見人は、成年被後見人に代わりその居住の用に供する建物等を売却をするには、家庭裁判所の許可を得なければなりません(民法859条の3)。また、これは後見監督人の許可では足りません(民法852条)。
  4. “被補助人が、補助人の同意を得なければならない行為について、同意を得ていないにもかかわらず、詐術を用いて相手方に補助人の同意を得たと信じさせていたときは、被補助人は当該行為を取り消すことができない。”[正しい]。詐術を用いて相手方に補助人の同意を得たと信じさせていたときは、被補助人は当該行為を取り消すことができません(民法21条)。
    したがって正しい記述は[4]です。

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