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宅建勉強12月29日(水)
2021.12.29
住宅比較の吉田です。
問33
宅地建物取引業者Aが宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- Aが媒介により建物の貸借の契約を成立させたときは、37条書面に借賃の額並びにその支払の時期及び方法を記載しなければならず、また、当該書面を契約の各当事者に交付しなければならない。
- Aが媒介により宅地の貸借の契約を成立させた場合において、当該宅地の引渡しの時期について重要事項説明書に記載して説明を行ったときは、その内容を37条書面に記載する必要はない。
- Aが自ら売主として宅地建物取引業者である買主と建物の売買契約を締結した場合、37条書面に宅地建物取引士をして記名押印させる必要はない。
- Aが自ら売主として宅地の売買契約を締結した場合、代金についての金銭の貸借のあっせんに関する定めがある場合における当該あっせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置については、37条書面に記載する必要はない。
解説
37条書面への記載事項の概要は次の通りです。
- “Aが媒介により建物の貸借の契約を成立させたときは、37条書面に借賃の額並びにその支払の時期及び方法を記載しなければならず、また、当該書面を契約の各当事者に交付しなければならない。”[正しい]。貸借における借賃の額と支払時期・支払方法は37条書面の必須記載事項です(宅建業法37条2項2号)。また、宅地建物取引業者が貸借の媒介をしたときは、貸主・借主双方に37条書面を交付しなければなりません。
- “Aが媒介により宅地の貸借の契約を成立させた場合において、当該宅地の引渡しの時期について重要事項説明書に記載して説明を行ったときは、その内容を37条書面に記載する必要はない。”誤り。引渡しの時期については37条書面のみ必須記載事項となっています(宅建業法37条2項1号)。任意で35条書面に記載し説明を行ったとしても、37条書面への記載は省略できません。
- “Aが自ら売主として宅地建物取引業者である買主と建物の売買契約を締結した場合、37条書面に宅地建物取引士をして記名押印させる必要はない。”誤り。宅地建物取引業者が自ら当事者として宅地建物を売買したときは、その相手方に対して37条書面の交付義務を負います(宅建業法37条1項)。37条書面の交付および宅地建物取引の記名押印は、相手方が宅地建物取引業者であったとしても省略できません。この場合、Aは相手方の宅地建物取引業者に対して、相手方の宅地建物取引業者はAに対して37条書面の交付義務を負います。
- “Aが自ら売主として宅地の売買契約を締結した場合、代金についての金銭の貸借のあっせんに関する定めがある場合における当該あっせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置については、37条書面に記載する必要はない。”誤り。あっせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置とは、宅地建物取引業者が紹介した住宅ローンが不成立だった際の措置です。こちらは売買・交換における37条書面の必須記載事項となっています(宅建業法37条1項9号)。宅地建物取引業者が住宅ローンをあっせんする場合は、35条書面にその内容と不成立のときの措置を記載し、さらに不成立だったときの措置については37条書面にも記載するという関係になっています。
なお、実務上は宅地建物取引業者が紹介していない住宅ローンについてもローンに関する取り決めとして37条書面に記載することが多いですが、これは契約解除に関する定めの1つとして記載されています。
したがって正しい記述は[1]です。