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宅建勉強1月15日(土)

2022.01.15

問8

Aを注文者、Bを請負人とする請負契約(以下「本件契約」という。)が締結された場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

  1. 本件契約の目的物たる建物に重大な契約不適合があるためこれを建て替えざるを得ない場合には、AはBに対して当該建物の建替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することができる。
  2. 本件契約が、事務所の用に供するコンクリート造の建物の建築を目的とする場合、Bの担保責任の存続期間を20年と定めることができる。
  3. 本件契約の目的が建物の増築である場合、Aの失火により当該建物が焼失し増築できなくなったときは、Bは本件契約に基づく未履行部分の仕事完成債務を免れる。
  4. Bが仕事を完成しない間は、AはいつでもBに対して損害を賠償して本件契約を解除することができる。

解説

  1. “本件契約の目的物たる建物に重大な契約不適合があるためこれを建て替えざるを得ない場合には、AはBに対して当該建物の建替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することができる。”正しい。建物に重大な契約不適合があり、建て替えざるを得ないときは、建替えに要する費用相当額の損害賠償請求を行うことが可能です(最判平14.9.24)。
  2. “本件契約が、事務所の用に供するコンクリート造の建物の建築を目的とする場合、Bの担保責任の存続期間を20年と定めることができる。”[誤り]。請負契約の担保責任期間には売買契約の規定が準用されます。担保責任を負う期間は当事者同士の合意によって伸長できますが、担保責任の損害賠償権には消滅時効が適用されるので、一般債権の客観的消滅時効期間である10年を超える担保責任期間を定めることはできません(最判平13.11.27民法166条1項)。
    新築住宅建築の請負ならば、住宅品確法の定めにより特例で20年まで伸長可能(最低は10年)ですが、本肢は「事務所の用」ですので20年とすることはできません。
  3. “本件契約の目的が建物の増築である場合、Aの失火により当該建物が焼失し増築できなくなったときは、Bは本件契約に基づく未履行部分の仕事完成債務を免れる。”正しい。債務の履行が不能になった場合、債権者は債務の履行を請求することできなくなるため、債務者Bは残債務を免れます(民法412条の2第1項)。一方、帰責事由のあるAは請負代金の支払いを拒むことはできません(民法536条2項最判昭51.2.22)。
  4. “Bが仕事を完成しない間は、AはいつでもBに対して損害を賠償して本件契約を解除することができる。”正しい。請負人が仕事を完成しない間、注文者はいつでも損害を賠償して本件契約を解除することができます(民法641条)。
    したがって誤っている記述は[2]です。

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