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宅建勉強2月1日(火)
2022.02.01
問7
令和4年7月1日になされた遺言に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 自筆証書遺言によって遺言をする場合、遺言者は、その全文、日付及び氏名を自書して押印しなければならないが、これに添付する相続財産の目録については、遺言者が毎葉に署名押印すれば、自書でないものも認められる。
- 公正証書遺言の作成には、証人2人以上の立会いが必要であるが、推定相続人は、未成年者でなくとも、証人となることができない。
- 船舶が遭難した場合、当該船舶中にいて死亡の危急に迫った者は、証人2人以上の立会いがあれば、口頭で遺言をすることができる。
- 遺贈義務者が、遺贈の義務を履行するため、受遺者に対し、相当の期間を定めて遺贈の承認をすべき旨の催告をした場合、受遺者がその期間内に意思表示をしないときは、遺贈を放棄したものとみなされる。
解説
- “自筆証書遺言によって遺言をする場合、遺言者は、その全文、日付及び氏名を自書して押印しなければならないが、これに添付する相続財産の目録については、遺言者が毎葉に署名押印すれば、自書でないものも認められる。”正しい。自筆証書遺言は、遺言者が全文、日付、氏名を自書、押印して作成するものでしたが、2019年1月より財産目録についてのみパソコンでの作成や通帳のコピーでも可能になりました。この場合、財産目録の各ページに遺言者が署名押印する必要があります。なお、財産目録とは、自筆証書に添付する相続財産の全部又は一部を記載した別紙のことです(民法968条1項・2項)。
- “公正証書遺言の作成には、証人2人以上の立会いが必要であるが、推定相続人は、未成年者でなくとも、証人となることができない。”正しい。公正証書遺言は、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口述し、公証人がそれを筆記して作成される遺言です。作成時には2人以上の証人の立会いが必要で、作成後は公証役場で保管されます。ただし、遺言者が自己の真意のとおりに遺言するのを妨げられるのを防止するため、以下の人は公正証書遺言を作成する際の証人になることができません(民法974条)。
- 未成年者
- 推定相続人や受遺者及びその配偶者・直系血族
- 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人
- “船舶が遭難した場合、当該船舶中にいて死亡の危急に迫った者は、証人2人以上の立会いがあれば、口頭で遺言をすることができる。”正しい。遭難した船舶に乗船中に死亡の危急に迫った者は、証人2人以上の立会いをもって口頭で遺言をすることができます(民法979条)。その他特別の方式の遺言については以下のものがあります。
- “遺贈義務者が、遺贈の義務を履行するため、受遺者に対し、相当の期間を定めて遺贈の承認をすべき旨の催告をした場合、受遺者がその期間内に意思表示をしないときは、遺贈を放棄したものとみなされる。”[誤り]。遺贈義務者等は、受遺者に対して、相当の期間を定めて遺贈の承認又は放棄をすべき旨の催告をすることができます。催告に対し、受遺者から返答がなかった場合には、遺贈を承認したものとみなされます(民法987条)。
したがって誤っている記述は[4]です。