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【宅建勉強会の軌跡】第7話
2025.01.07
~後輩が入ってきて先輩となる~
毎週1000分(約16.5時間)の議事録は過酷だった。
飛び込み営業をしても、玄関先でのたわいもない話で終わる。
議事録に書く内容もなく、ましてやサインなんてお客様に頼めない。
仲良くなった契約見込みのない家に行き、お茶を頂いてリフォーム等の話をし、議事録に書き、サインを頂くこともしばしばだった。
そんな生活が続き、そんな中、営業所に新入社員研修を終えた新人Yくんが入ってきた。
天然で、笑顔が可愛いらしい、とても感じの良い子だった。
そのYくんから教わることが振り返ってみると多くあった。
Yくんは、とても楽しそうに飛び込み営業をしていた。
議事録1000分については、【話したこと何でも書いていいですよね】と言って、
【〇〇様はみかんがお好き】とだけ書いてある、奥様のサインのある100分の議事録を提出してきた。
私は「これはダメだよ」と言ったが、先輩たちの反応は上機嫌だった。
【10年に一度の逸材】とN営業所長は言っていた。
Yくんはいつも笑顔で、人の悪口は言わないし、一生懸命だった。
ただ、お客様へのプレゼンテーションやトークは苦手。
話が長い私にも嫌な顔をほとんどせずに付き合ってくれていた。
今から考えると、私がYくんの活動時間を阻害するお荷物だったように思う。
1000分議事録がアポ商談で埋り始めた時、契約がやってきた。
ようやく暗い道から一筋の光が見えてきたようだ。
Yくんに対しても契約あがっていない先輩というのは、恥ずかしかった。
【商談時間】は、【健康診断書の数値】のようなものだと思った。