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【空家】全国の4分の1が住宅「過剰」
こんにちは。住宅比較の森田です。
いま全国的に空家が増えているとされ、「空家法」なるものも施行されています。しかし現状まだまだ空家率の減少は芳しくありません。今空家を所有していない人でも、いつか相続などで自分が当事者になったときのために、空家問題の現状や自治体の対策などをしっかり確認していることが大切です。
今回は2022年12月4日の日本経済新聞より、空家問題が引き起こしている現状やその原因、各自治体の対策をご紹介します。
人口より家の方が多い県
日経新聞は、総務省の統計調査から、「総世帯数」に対する「総住宅数」を「住宅の過剰率」として調べました。
その結果、2018年では
1位 山梨県 過剰率27%
2位 和歌山県 過剰率25%
3位 長野県 過剰率24%
山梨は住宅数が世帯数を2割強上回っているのです。なお、率は違えどこの住宅過剰は全都道府県該当しています。
全国地価は上昇したけど・・・
2022年の基準地価は全国平均が前年比0.1%上昇と1991年以来31年ぶりのプラスでした。しかし地方の住宅過剰率が高い地域の多くは前年マイナスで推移しています。家余りが続けば老朽化による景観や治安の悪化だけでなく、地価の低迷で地域の経済に悪影響が及ぶ恐れも。
家余りの原因
日本は人口減少のなかでも、単身世帯の増加などで、世帯数としては増えてきていました。しかし研究機関によれば、
世帯数のピークは2023年
以降は減少していくと予測されています。住宅過剰率の高い地域の対策は急務です。
一体なぜ、こんなにも家余りが起こってしまったのでしょうか。
和歌山や高知:高度成長期に張りきりすぎた
四国は全4件が過剰率20%以上ですが、これは高度成長期の人口流入を期待して住宅を増やした結果です。
1970年代にはすでに家余りが目立っていて、他県に先駆けて人口減が進んだため過剰率の上昇が止まっていません。
山梨や長野:バブル期の新築ラッシュ
別荘地という需要はあるものの、首都圏からの人口流入を期待してバブル期に積極的に新築がなされた結果が山梨や長野の家余りです。居住世帯に限っても、80年以上前の建築が4分の1以上あり、老朽化が全国平均以上に進んでいます。
東北地方でも人口減少は目立ちますが、過剰率が抑えられているのは住宅供給自体が少ないからです。
過剰率を抑える対策はある?
このような地域の対策としては、新型コロナウィルス禍で広まった郊外でのテレワーク需要へ向けて空家を活用するなど、郊外移住の自治体間の取り込み競争で優位に立つ必要があります。
2018年時点で過剰率が最も低いのはわれらが埼玉県!さいたま市に人口が流入している効果もありますが、小規模自治体の対策も成果に貢献しています。
例えば人口8,000人弱の横瀬町は、将来の人口減少も推計したうえで空家対策を急いでいます。
空家を売りたい人・買いたい人をマッチングさせる空家バンクの拡充、2021年に実施した、民間企業と提携して空家の資産価値を無料で調査するプロジェクトを実施。売却や解体費などを「見える化」し、処分に踏み切れない所有者との接点を維持しています。
愛知県で空家率が最高の南知多町は、2021年に民間企業が開発した空家解体費のシミュレーターを採用、所有者らが無料で使えるようにしました。公費では割高な解体費を、業者間競争によって安く抑えられる可能性を所有者に示しています。
住民も自覚や意識を高める
このように、各自治体が人口減少や空家率を危惧し、所有者への働きかけに動いていますが、やはり本人の意識無しには過剰率の減少は望めません。
所有していることを自覚していなかったケースのほか、遺産分割が難航してそのままになっている家や土地もあるでしょう。
家が建っているのに税金が増えるリスクも
空家法の推進により、行政が指定する「危険な空家」は固定資産税等の減税措置が受けられなくなる可能性があります。遠方に住む人などはなかなか管理するのも難しいですが、放置しているうちに思わぬスピードで老朽化は進んでいくことを意識し対策することが必要になります。
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