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宅建勉強7月30日(土)

2022.07.30

問44

宅地建物取引業者A(甲県知事免許)の営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. Aは、甲県知事の免許を受けた日から1月以内に、政令で定める額の営業保証金を主たる事務所のもよりの供託所に供託し、かつ、その旨を甲県知事に届け出なければ、事業を開始することができない。
  2. Aは、事業の開始後新たに事務所を設置したときは、2週間以内に政令で定める額の営業保証金を主たる事務所のもよりの供託所に供託し、かつ、その旨を甲県知事に届け出なければならない。
  3. Aは、宅地又は建物の売買契約を締結しようとするときは、当該契約が成立するまでの間に、宅地建物取引業者ではない相手方に対して、営業保証金を供託した供託所及びその所在地並びに供託金の額について説明しなければならない。
  4. Aが、営業保証金を金銭のみで供託している場合で、免許換えにより主たる事務所のもよりの供託所が変更したとき、Aは、遅滞なく、変更前の供託所に対し、変更後の供託所への営業保証金の保管替えを請求しなければならない。

解説

  1. “Aは、甲県知事の免許を受けた日から1月以内に、政令で定める額の営業保証金を主たる事務所のもよりの供託所に供託し、かつ、その旨を甲県知事に届け出なければ、事業を開始することができない。”誤り。免許を受けた日から1月以内に営業保証金を供託して届け出るという規定はありません。主たる事務所のもよりの供託所に営業保証金を供託した後、免許権者に届け出れば事業を開始することができます(宅建業法25条5項)。
    ただし、いつまでも遅らせていいのかと言えばそうではなく、免許を受けた日や事務所を新たに設置した日から3月以内に営業保証金を供託した旨の届出がない場合は、免許権者から催告を受け、その催告から1月以内に供託の届出がなければ免許を取り消されることがあります。また免許を受けてから1年以内に業務を開始しないときは免許を取り消されてしまいます。
  2. “Aは、事業の開始後新たに事務所を設置したときは、2週間以内に政令で定める額の営業保証金を主たる事務所のもよりの供託所に供託し、かつ、その旨を甲県知事に届け出なければならない。”誤り。事務所を新たに設置した場合も、免許を受けたときの営業保証金の供託と同じ手順です(宅建業法26条)。その事務所で業務を開始する前に、所定の営業保証金を供託し、その供託書の写しを添附して、免許権者に届け出る必要があります。なお、2週間以内に供託する必要があるのは、還付により営業保証金が不足することとなったときです。
  3. “Aは、宅地又は建物の売買契約を締結しようとするときは、当該契約が成立するまでの間に、宅地建物取引業者ではない相手方に対して、営業保証金を供託した供託所及びその所在地並びに供託金の額について説明しなければならない。”誤り。営業保証金を供託している(保証協会の社員でない)場合には、契約の相手方(宅建業者を除く)に対し、契約が成立するまでの間に、営業保証金を供託した供託所とその所在地を説明しなければなりません。しかし「供託金の額」は説明対象に含まれないので本肢は誤りです(宅建業法35条の2第1号)。
  4. “Aが、営業保証金を金銭のみで供託している場合で、免許換えにより主たる事務所のもよりの供託所が変更したとき、Aは、遅滞なく、変更前の供託所に対し、変更後の供託所への営業保証金の保管替えを請求しなければならない。”[正しい]。金銭のみで営業保証金を供託している場合において、主たる事務所の移転により営業保証金の供託先が変わった場合には、変更前の供託所に対し、変更後の供託所への保管替えの請求をしなければなりません。なお、金銭のみでない場合は、変更後の供託所に営業保証金全額を供託した後、変更前の供託所から取り戻すことになります(宅建業法29条1項)。
    したがって正しい記述は[4]です。

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