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宅建勉強7月24日(日)
2022.07.24
問40
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと中古の土地付建物の売買契約(代金5,000万円、手付金1,000万円)を締結する場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法及び民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- Aが、売買目的物の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関し、買主がその不適合を売主に通知すべき期間について、その土地付建物の引渡しの時から1年間とする旨の特約をした場合は、その期間は、Bが契約不適合を知った時から1年間となる。
- Aは、手付金のうち代金の1/10を超える部分について宅地建物取引業法第41条の2に規定する手付金等の保全措置を講じた場合は、手付金全額を受領することができる。
- Aは、Bの要求があった場合は、契約の締結を誘引するためBの手付金の支払いについて分割払とすることができる。
- AB間で、手付金を違約手付とする旨の特約を定めた場合においても、別途Bの債務不履行による契約解除に伴う損害賠償の予定額を定めることができる。
解説
- “Aが、売買目的物の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関し、買主がその不適合を売主に通知すべき期間について、その土地付建物の引渡しの時から1年間とする旨の特約をした場合は、その期間は、Bが契約不適合を知った時から1年間となる。”[正しい]。宅地建物取引業者が自ら売主となる売買契約では、契約不適合を担保すべき責任に関し、買主がその不適合を売主に通知すべき期間について、引渡しから2年以上とする場合を除き、民法の規定よりも買主に不利な特約は無効となります(宅建業法40条)。本肢の「引渡しの時から1年間」というように、この規定に反する特約は無効となるので、民法の原則通り、買主は契約不適合を知った時から1年間に通知すれば売主の担保責任を追及できます(民法566条)。
- “Aは、手付金のうち代金の1/10を超える部分について宅地建物取引業法第41条の2に規定する手付金等の保全措置を講じた場合は、手付金全額を受領することができる。”誤り。完成済物件の売買では、代金の10分の1または1,000万円を超える額を受領しようとするときに保全措置が必要となります(宅建業法41条の2)。保全措置は受領しようとする手付金等(手付・中間金・前金・内金)全額について行わなくてはなりませんが、本肢は保全措置の対象を「1/10を超える部分」としているので誤りです(1/10以下の部分は保全措置を講じないということなので)。
- “Aは、Bの要求があった場合は、契約の締結を誘引するためBの手付金の支払いについて分割払とすることができる。”誤り。宅地建物取引業者がその相手方に対し、手付の貸付や手付の分割払いで契約を誘引する行為は禁止されています(宅建業法47条3号解釈運用の考え方-第47条3号関係)。相手方から依頼があった場合でも分割払とすることはできません。
- “AB間で、手付金を違約手付とする旨の特約を定めた場合においても、別途Bの債務不履行による契約解除に伴う損害賠償の予定額を定めることができる。”誤り。宅地建物取引業者が自ら売主となる売買契約では、損害賠償額の予定と違約金を合算した金額が代金の2割を超えてはなりません(宅建業法38条1項)。
違約手付は、債務不履行などの契約違反があったときに没収される手付であり、違約金の性質を持っているので、違約手付の割合が既に「1,000万円÷5,000万円=20%」である本事例では、違約手付に加えて損害賠償の予定額を別途定めることはできません。
したがって正しい記述は[1]です。