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宅建ブログ7月16日(土)

2022.07.16

問33

宅地建物取引士の登録に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 宅地建物取引士Aが、不正の手段により登録を受けたとして登録の消除の処分に係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分についての決定がされる日までの間に、相当の理由なく登録の消除を申請した場合、Aは、当該登録が消除された日から5年を経過しなければ、新たな登録を受けることができない。
  2. 宅地建物取引士Bは、刑法第209条(過失傷害)の罪により罰金の刑に処せられた場合は、30日以内に登録の消除を申請しなければならず、当該登録が消除された日から5年を経過しなければ、新たな登録を受けることができない。
  3. 宅地建物取引士Cが、登録を受けている都道府県知事から事務禁止の処分を受け、その禁止の期間中にCからの申請に基づくことなく登録を消除された場合は、事務禁止の期間が満了するまでの間は、Cは、新たな登録を受けることができない。
  4. 未成年であるDは、法定代理人から宅地建物取引業の営業に関し許可を得て登録を受けることができるが、宅地建物取引業者がその事務所等に置かなければならない成年者である専任の宅地建物取引士とみなされることはない。

解説

  1. “宅地建物取引士Aが、不正の手段により登録を受けたとして登録の消除の処分に係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分についての決定がされる日までの間に、相当の理由なく登録の消除を申請した場合、Aは、当該登録が消除された日から5年を経過しなければ、新たな登録を受けることができない。”[正しい]。宅地建物取引士が以下の4つの事由で登録消除処分を受け、その日から5年を経過していないときは、登録の欠格事由に該当します(宅建業法18条1項9号)。
    1. 不正の手段により登録を受けた
    2. 不正の手段により取引士証の交付を受けた
    3. 事務禁止処分に違反した
    4. 監督処分の対象となり、情状が特に重い
    登録消除の前には聴聞が行われますが、その聴聞の期日・場所の公示日から処分決定の日までに自ら登録消除の申請をしたときには、その申請による登録消除の日から5年間は登録を受けることはできません。自ら登録消除することによって処分を避けようとする行為とみなされるからです(宅建業法18条1項10号)。
    よって、Aは、申請による登録消除の日から5年を経過しなければ新たな登録を受けることができません。
  2. “宅地建物取引士Bは、刑法第209条(過失傷害)の罪により罰金の刑に処せられた場合は、30日以内に登録の消除を申請しなければならず、当該登録が消除された日から5年を経過しなければ、新たな登録を受けることができない。”誤り。罰金刑を受けたことにより欠格事由となる刑法の罪は、傷害罪、障害現場助成罪、暴力罪、凶器準備集合結集罪、脅迫罪、背任罪の6つです(宅建業法18条1項7号)。よって、過失傷害罪で罰金刑に処された場合には、登録消除されることはありません。
  3. “宅地建物取引士Cが、登録を受けている都道府県知事から事務禁止の処分を受け、その禁止の期間中にCからの申請に基づくことなく登録を消除された場合は、事務禁止の期間が満了するまでの間は、Cは、新たな登録を受けることができない。”誤り。登録消除処分を受けたということは、以下の事由のいずれかに該当したということです。肢1に記載の通り、事務禁止処分に違反等の事由で登録消除されたときには、その消除の日から5年を経過するまでは新たな登録を受けることができません。欠格事由に該当したケースでも、その欠格事由がなくなるまで同様です。本肢は「事務禁止の期間が満了するまでの間は、Cは、新たな登録を受けることができない。」としていますが、言い換えると「事務禁止の期間満了後は、Cは、新たな登録を受けることができる」と言っていることになります。前述のとおり、事務禁止の期間が満了しても登録を受けられるとは限らないので、本肢は誤りです。
    なお、事務禁止処分期間中に自ら申請して登録消除された場合には、その事務禁止処分期間が経過すれば登録を受けることができます。
  4. “未成年であるDは、法定代理人から宅地建物取引業の営業に関し許可を得て登録を受けることができるが、宅地建物取引業者がその事務所等に置かなければならない成年者である専任の宅地建物取引士とみなされることはない。”誤り。未成年者が宅地建物取引業に関し、成年者と同一の行為能力を有しないときは宅建士登録の欠格事由に該当します。よって、未成年者が宅地建物取引士の登録を受けようとする際には、法定代理人の同意が必要という点は適切です(宅建業法18条1項1号)。しかし、営業に関し行為能力を与えられたというだけですので、それをもって成年者である宅地建物取引士としてみなされることはありません。
    ただし、宅地建物取引業の免許を受けた個人および法人の役員が宅地建物取引士である場合には、専任の宅地建物取引士であるとみなす規定があります(宅建業法31条2項)。よって、未成年者Dが宅建業の免許を受けているとき、宅建業の免許を受けた法人の役員である場合には、専任の宅地建物取引士とみなされます。本肢は「みなされることはない」としているので誤りです。
    したがって正しい記述は[1]です。

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