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【生活】安藤忠雄に学ぶこれからの生き方
みなさんは、建築士・安藤忠雄という人物をご存じですか?
名前を聞いたことがない方も、彼が建築した
・ベネッセハウスの美術館(1992年)
・淡路夢舞台(1999年)
・表参道ヒルズ(2006)
この辺りはご存じなのではないでしょうか。
様々な賞に輝き、東京大学特別栄誉教授でもある一級建築士の安藤忠雄。どんなエリートかと思いきや、実は高校卒業後、大学へ進まず独学で上り詰めたそうです。
聖教新聞がそんな安藤忠雄に、これからの日本、そして若者がどのように生きていくべきなのかインタビューしていましたのでご紹介します。
【これからの日本の生き方】
昨年末からまた状況が悪化してきた新型コロナウィルスによる日本の厳しい現状。今年はさらに厳しくなることを「どうにもならん」と危惧している安藤はさらに、この不安定な状態は今に始まったことではないと続けます。
バブル崩壊以降も経済大国と呼ばれていた頃の「平和ボケ」が抜けず、グローバル化する世界に取り残される一方、少子高齢化や頻発する自然災害への対応など「差し迫った課題」は未解決のまま積み重なっている現状が、コロナ禍によって改めて白日の下にさらされたのだと。
残念ながら今の日本は、長期的なビジョンで新しい価値観を作っていくようなリーダーシップは期待できない。しかし今世界はコロナによって、ある意味一つの存在。地球は一つ、ということを意識の芯に置き、自国主義の蔓延を断ち、「共に生きる」という心が大切なのだと安藤は言います。いきなり未来を変えることはピンとこなくても、「自然と共に」「隣人と共に」「地域と共に」。その意識の先に「世界と共に」未来を変える鍵があるのだと。
【これからの若者の生き方】
安藤はコロナ禍で生活を制限されることに対して、「ない」ことを受け入れ、覚悟を決めるべきだと訴えます。
工業高校を卒業した安藤は、大学に経済的・学力的問題で行きたくても行け「ない」ことを受け入れ、働きながら学ぶことを決心します。大学へ通う友人に使っている教科書を尋ねて理解できないながらも必死に勉強し、本物を体験すべく日本、海外を飛び回り建築行脚を重ねました。独学は苦しい道だけれど、その分自分なりのモノの見え方・考え方が養えたのだそうです。
28歳で事務所を開設し、がむしゃらに仕事をしてきた安藤。そうするとその生き方を見て助けてくれる人が現れてきたそうです。
自分で決めたことだから、苦しくても自分の足で立ち、応援がなくても信じて走り続けるしかない。「自分で考える」ことが大切だと安藤は言います。
常に挑戦の心を燃やし続け、大病を患って臓器をいくつも摘出することになっても、それを受け入れ生活を一新し健康を維持している安藤。彼はこれからの若者にもその挑戦心を持って欲しいと言います。
安藤は自身の建築材料・工法に鉄筋コンクリートを使用することにこだわりを持っています。その理由は、現代においてそれが最も「ありふれた」存在だからだそうです。「世界中どこでも、誰でも可能な方法で、世界のどこにもない、誰にもできないものをつくりたい」という挑戦心が今日までコンクリートを使い続けている一番の理由なのだとか。
今後は周囲に流されず、皆が自分の生き方を自分で探し、創っていく時代になるだろう。特に若者はそれぞれに「この道では誰にも負けない」と誇りが持てるように頑張って欲しい、と安藤は言います。「右へならえ」で皆が欲しいものを自分も欲する願望を成長のエネルギーにする時代は終わった、どんな小さい家でも、当人ならではの豊かな生活ができればそれでいい。自分の道を自分で考え、逆境をチャンスに変えていって欲しい。
安藤の未来の若者たちへのエールで記事は締めくくられてました。
(画像元:https://rekisiru.com/7973)