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【空家】空家の敷地が住宅用地の税優遇対象外へ

こんにちは。住宅比較の森田です。

弊社ではお客様の要望エリアの空地や空家を現地調査し、所有者様に売却のご相談をさせていただいております。それほどに、今は土地が少ないのです。その理由の一つが全国的に増えている空家。今回はその空家に対して政府が始めた対策法と、空家所有者への影響をご紹介します。

法施行の背景

上のグラフによれば、我が国は人口のピークも世帯のピークも迎えており、今後はともに減少していくと推測されています。

そして現状、住宅のストックが世帯数総数を上回っています。注目すべきは空家率。これが人口減少とともに増えていくと考えられているのです。関西を中心に全国的に増加しており、空家率10%を超える自治体はこの10年間で0から6に増えました。

空き家が増えた原因として、そもそも持ち主が不明なもの、相続がまとまらないなどがあげられます。このまま空き家が増え続けると近隣トラブルや火災の発生につながりますし、土地を有効に活用できなくなります。

勧告に要注意

そこで政府は「空家等対策の推進に関する特別措置法」を施行。行政が危険な空き家を「特定空家」として指定し、管理の改善を勧告することを認め、最悪の場合は強制的に除却することができるようになりました。

空家が放置されてきたことの一因として、住宅用地の固定資産税および都市計画税の減税措置が空家の敷地にも適用されていることも挙げられます。この法律によって、特定空家に指定され、助言または指導に従わなかった場合、「勧告」を受けることになります。このタイミングで、その空家の土地は住宅用地特例の適用対象外になってしまいます。

対象外になった場合税額はどう変わるのでしょうか。

税金がはねあがる

まず固定資産税などについて概要をご紹介します。

固定資産税は毎年1月1日現在、各市区町村に備え付けられた固定資産課税台帳に土地家屋の所有者として登録されている人に課される税金です。その計算方法は

土地家屋の固定資産表額×税率(標準は0.014%)

ただし住宅用地(人が住むための家が建っている土地)には特例が適用され、200㎡までの小規模住宅用地の部分は評価額が6分の1になります。都市計画税も、計算方法は一緒で標準税率は0.003%、小規模住宅用地の場合評価額が3分の1になります。

特定空家として特例から除外されてしまった場合、払う税金は以下のように変わります。

なんと税金総額が3.6倍になってしまいます。そうはいっても解体にも費用がかかるし、すぐに処分はしにくいというもの。

しかしこの金額と、解体にかかる費用の相場を比較して考えてみてください。解体にかかる費用は、木造の場合概算で

取壊し費用:90万円・廃棄物処理費用:20万円・付帯工事費用:28万円・その他諸費用:8万円 → 合計146万円

くらいが相場です。もし特例対象外の空家に指定されてしまって10年経過してしまったら、解体費用相当の税金がかかってしまいます。

早めの相続会議を

親が遠方の人や、親族が多くて話がまとまらないケースもあるかとは思いますが、この法律が決まった以上、早めに相続人の話し合いはしておくべきです。以前も紹介しましたが、共有で相続した場合の処分は全員の同意が必要です。とりあえずで共有にしていると、そのまま次の代へ移っていくごとに相続人が増えて権利関係が複雑になり、協議は難航を極めます。できることなら家の相続は一人にして、管理や処分費を他の相続人で清算するのも一案。所有者が個人で空家の除却をする場合、国と自治体が費用を補助し、負担が5分の1になります。

親や親族の思いがある土地。危険な空家と指定されてしまう前に相続人みんなで考えることが、自分たちの、ひいては国の有効な土地利用のためになるのではないでしょうか。

出典:国交省HP『空き家対策の現状

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