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【法律】200年住宅を目指す「長期優良住宅法」

こんにちは。住宅比較の森田です。日本において取り壊された住宅の平均築年数は30年。アメリカの55年、イギリスの77年と比較して短いです。これは住宅ローンを返済し終えるときには住宅の価値がほぼゼロになってしまうという実態を表しています。今回は2022年4月19日の住宅新報より、住宅資産の維持を目的とした「長期優良住宅法」についてご紹介します。

長期優良住宅法の背景・概要

長期優良住宅は、長期にわたり良好な状態で使用するための措置講じられた優良な住宅です。
長期優良住宅の建築及び維持保全の計画を作成し、所管行政庁に申請することで認定を受けることができます。
新築についての認定制度は平成21年6月4日より、既存住宅を増築・改築する場合の認定制度は平成28年4月1日より開始しています。

住宅:長期優良住宅のページ – 国土交通省 (mlit.go.jp)

20世紀において「つくって壊す」が主流であった住宅が現代において中古住宅として販売されるとき、満足できる質のものであるとの声は少なく、国はこのような基準を定めて優遇することにより、欧米のように長く使い続けられる住宅ストック「200年住宅」の形成を目指しました。また法施行後 10 年が経過したこと等を踏まえ、共同住宅における認定手続きの見直し、良質な既存住宅を長期優良住宅として認定する制度の創設及び災害リスクへの配慮の認定基準の追加等をする改正法が令和3年5月28 日に公布され、令和4年2月20 日に一部施行、令和4年10 月1日に完全施行されます。

埼玉県はどれくらい認定住宅があるの?

左のグラフは新築一戸建てで認定を受けた一戸建て住宅の件数を年度ごとに集計したものです。関東圏では、埼玉は東京、神奈川に次ぎ3位で令和2年度までに70,894件の実績があります。

認定基準

■住宅の長寿命化のために必要な条件

①劣化対策

劣化対策等級3(新築住宅)の基準に適合し、かつ構造の種類に応じた基準に適合(木造・鉄骨造)
・床下空間の有効高さ確保及び床下・小屋裏の点検口設置など(鉄筋コンクリート造)
・水セメント比を減ずるか、かぶり厚さを増すこと

②耐震性

以下のいずれかに該当すること
・耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)等級2(新築住宅)の基準に適合
・耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)等級1(新築住宅)の基準に適合し、かつ安全限界時の層間変形を1/100(木造の場合1/40)以下とすること。
・品確法に定める免震建築物であること。

③維持管理・更新の容易性

原則として、以下の基準(新築住宅)に適合すること。
・維持管理対策等級(専用配管)の等級3
・維持管理対策等級(共用配管)の等級3
・更新対策(共用排水管)の等級3

④可変性(共同住宅のみ)

■社会的資産として求められる要件

⑤高水準の省エネルギー性能

・断熱等性能等級4(新築住宅)の基準に適合←平成28年度以降の基準であればほぼクリア

⑥基礎的なバリアフリー性能(共同住宅のみ)

■長く使っていくために必要な条件

⑦維持保全計画の提出

認定を受けた計画で建築、その後の修繕や維持状況を記録し保存することが必要

■その他必要とされる要件

⑧住環境への配慮

⑨住戸面積

長期優良住宅に認定された時の優遇措置

■税の特例措置

所得税(令和4年12月までに入居が必要)、登録免許税、不動産取得税、固定資産税(5年間)が軽減されます。(参考サイト

■補助金
○新築の認定に係る補助金(地域の中小工務店等が木造の認定長期優良住宅を供給する場合)

○増築・改築の認定に係る補助金(既存住宅の長寿命化に資するリフォーム等を行う場合)

■融資(住宅ローンの金利引下げ等)

(参照 住宅:長期優良住宅のページ – 国土交通省 (mlit.go.jp)

認定を受けた住宅が売却された場合、買主にも維持保全義務が承継されますが、おなじく優遇措置も承継することができます。契約前の説明事項になりますので、ぜひ注目してみてください。

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