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【景気】在庫がピンチ!建売住宅

こんにちは。住宅比較の森田です。コロナによる在宅勤務ニーズで、賃貸から持ち家の取得需要が増えた一方、マンション価格はバブル期を超える高騰だった昨年。そこで売上を伸ばしたのが建売住宅でした。本日は2022年3月9日の日経新聞より、建売住宅の現状をご紹介します。

いま、建売住宅大手は在庫の積み増しに動いています。新型コロナウィルスを機に住宅販売が好調で、減った在庫の埋め戻しが遅れていましたが、2020年6月末に近い水準に戻りました。原材料高が続く中在庫を確保出来るかが今後の売上を左右します。

図をご覧下さい。大手3社の棚卸し資産と回転日数を半期毎に集計したグラフです。これによると、3社合計の棚卸し資産は2021年12月末時点で1兆41億円と、1年前の12月末より25%増えています。棚卸し資産の回転日数は3社平均で148日。直前の2021年上半期(134日)より11%長く、1年前の2020年下半期(146日)と比べて2%伸びました。しかし、3社合計の在庫は2020年下半期から2021年上半期の1年間で見るとむしろ減っていて、回転日数は短縮傾向にありました。一般的に回転日数の低下は経営効率の高さを示しますが、今回の場合は持ち家へ移る需要が活発化し仕入れた在庫と販売用の在庫の両方が一気に減った結果在庫の積み増しが難しいなかの想定外の低下でした。

なぜこんなにも建売住宅の在庫不足が顕著になったのか。背景にはマンションの高騰があります。2021年の首都圏の新築マンション平均価格は6,260万円とバブル期を超えて過去最高だったのに対し、戸建の平均価格は飯田GHDだと2,864万円、オープンハウスGも4,587万円と比較的低めでした。

各社は販売機会を逃すまいと適正な在庫の積み増しを模索します。販売頭数の半数ほどの在庫水準が望ましいとの声もありますが、原材料の値上げや供給不足が懸念されます。

2021年から顕在化した「ウッドショック」の影響で木材の供給は不安定。トイレや窓サッシなど住宅設備機器も調達遅れや値上げが目立ちます。資材や建材不足で着工が鈍れば、住宅の販売数を減らさざるを得ない状況になるなど適切な住宅在庫を確保できなくなり売上も減少する、という望まぬ回転日数の短縮を招くおそれがあるのです。

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