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【制度】なってからじゃ遅い!認知症

こんにちは。住宅比較の森田です。厚生労働省によると2020年末で認知症患者の数は631万人になるそうです。少子高齢化を象徴する数字ですね。ところでみなさんは「後見制度」というものをご存じでしょうか。親の介護などで初めて知る方もいるのではないでしょうか。親の財産整理などで子が代理するとき、被後見人になってからだと制約がある場合があるので注意が必要です。本日は2021年11月20日の日経新聞より、親が認知症になる前に心得ておくべき財産管理についてご紹介します。

認知症で本人の判断能力が低下すると、たとえ介護が目的でも親に代わって子どもが預金を引き出したり、親の自宅を売却したり等の財産管理が原則できなくなります。介護施設入居の契約を代行することもできません。こうなったときにあるのが「成年後見制度」です。

成年後見制度には主に「法定後見人」と「任意後見人」の2つがあります。以下が2つの制度の比較です。

法定後見人の利用者はすでに判断能力が低下した人が対象です。親族が家裁に利用を申し立て→家裁が後見人を選任するという流れです。法定後見人は本人に代わって財産の処分や法律行為をすることができます。

成年後見制度の利用者は2020年末で23万2287人と2011年末から52%増えましたが、厚労省によると認知症患者は2020年末で631万人いるとされているため、利用している人はまだまだ少ないことが分かります。制度がまだよく知られていないことに加え、実際に利用するとなったときに制約が少なくないためです。

一つ目の成約は親族が法定後見人に選ばれるとは限らない点です。希望はできますが、面談などで相応しいか判断するのは家裁です。また、法定後見人は財産管理や生活支援の方針をまとめ家裁に年1回報告する義務があります。このような業務は司法書士や弁護士などが慣れていることから、法定後見人には専門職が選ばれやすいのです。ただ、専門職が選ばれやすい法定後見人による財産管理は良くも悪くもチェックが厳しく、親族的に使い勝手が悪いという声も。ふたつめの制約は費用面。法定後見人に払う報酬の相場は月2万円程度。被後見人が亡くなるまで払い続けなければなりません。

一方任意後見人は利用者の判断能力があるうちに契約するのが特徴です。公正証書で何を代行してもらうかを決め、合意の上で自分が信頼する人を後見人に指名することができます。ここで注意すべきなのは、公正証書に記す代行内容を細かく決めておくことです。任意後見人ができる事は契約書の内容に沿うためです。それから、判断能力があっても利用者による購入、売却契約などの法律行為は取り消しできません。

報酬は契約で設定できるため無報酬も可能です。任意後見では後見人の業務をチェックする任意後見監督人を家裁が必ず専任し、財産額5000万円以下で月1~2万円程度の報酬が発生します。

成年後見制度以外でいくと、「家族信託」というものもあります。利用者が判断能力があるうちに家族に財産管理を任せる契約を結ぶのです。こうすると、例えば法定後見では介護費のために親の自宅を売却したり賃貸したりするには家裁の許可が必要ですが、家族信託の場合は任された人の判断で運用することができるのです。

高齢化社会、認知症に備える手段は増えてきていますが、それぞれの制度の特徴や注意点を踏まえた上で早めに将来の利用を検討しておくことが重要です。

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