いろんな比較
【お金】理想の大家生活への壁
こんにちは。住宅比較の森田です。老後の資産形成として、ワンルームマンションなどの購入を検討している人が増えているようです。不動産投資は着実な収入を得る手段とされています。今回は2022年7月16日の日経新聞より、これから不動産投資で家賃収入を目指す人に向けて気をつけるべきことをご紹介します。
マンションの投資で家賃収入を狙う
利回りの計算方法は2種類ありますが、たとえば表面利回りの計算方法で、4,000万円のワンルームマンションを購入して、月14万円の家賃で貸したときの場合を考えると…
単純計算で4.2%。不動産の価格が上昇したら売却して利益を得ることも可能です。
給与所得者が不動産に投資する場合、固定資産税や建物の減価償却費などを費用として計上し、家賃収入を上回る「赤字」になったら所得税の納税額が減ることもあります。相続時に預金より不動産のほうが相続評価額が低くなることが多いため、相続税節税の効果も。
初心者にはハードルが高い
しかしこの不動産投資というフィールドは、資金力が限られる個人が挑戦するには難しいと指摘する専門家は多いです。
理由の一つは
物件選びの難しさ
不動産投資の利回りは大きく物件の購入価格と家賃収入で決まりますが、中途半端な物件を購入し、借り手を確保しようと家賃を大きく下げれば利回りは低下します。空き室の期間が長くなると当然家賃収入はゼロ。しかし購入資金のローン返済は続くため投資としての割が合わない事態に陥る人も少なくありません。
業者を挟むのもよく考えて
空き室リスクを避けるために、業者に部屋を借り受けてもらい、入居者に転貸する「サブリース」。確かに家賃分は保証されますが、業者に手数料を払う分利回りが低下します。
また「家賃保証」をうたっていても、実際には契約から数年経つと家賃の引き下げを要求されることも多く、トラブルになりやすいのです。
メンテナンスもタダじゃない
物件を管理する費用も実質的な利回りを左右します。業者に任せる場合は費用が発生するため利回りは下がりますが、自分で管理するとなると手間がかかり、入居者とのトラブルなどのリスクも負うことになります。
たとえば入居者の募集、契約、家賃の集金・確認・督促、設備修理、退去後のクリーニング等、そして次の入居者募集…
そして管理するのは物件だけではなく、入居者も同様。乱暴に使った結果物件を破損させた場合は大家から立ち退きを求なければならないこともあるでしょう。
家賃収入をきちんと得られていても、不動産所得を計算し税務申告する必要があります。
専門家の目線からすると、
分散投資のしやすさや、流動性の面で実物不動産は金融不動産より不利
との指摘されているのです。不動産投資とは一種の事業ともいえ、本業の片手間にやるのはかなりハードルが高いとのこと。
個人で大家にならなくても家賃収入は狙える
不動産による家賃収入を狙うなら、
不動産投資信託(REIT)
という選択肢もあります。多くの投資家から集めた資金を賃貸住宅やオフィスビル、商業施設など賃料収入の見込める不動産に投資するREITは、個人が現物の不動産に投資するより分散効果が高く、現金化もしやすいのがポイント。
借入金による投資の為、値動きが比較的大きめなREITは金利上昇や元本割れリスクには注意が必要です。
マイホームも立派な投資
自宅の購入も不動産投資の一種と考えることができます。
収益を生むわけではありませんが、住宅ローンは不動産投資ローンよりはるかに低い金利で借りることができます。団信んにも加入するので万一の時の家族の備えにもなります。持ち家であれば老後の年金生活でも家賃を払う必要もありませんし、こまめに修繕などして質が高いまま中古住宅として売却すれば老人ホームなどの入居費用に充てることも可能でしょう。
マイホームを買うということは資産形成の有力な手段の一つなのです。